スーパーDr.うるとら万太郎:第1話(1/5)
ようやく「風の軌跡」の掲載が終了しました。
今週から、病院を舞台にした変身ヒーロー物「スーパーDr.うるとら万太郎」(2006年発表)を掲載します。
私が出版してきた作品の中では最も面白いと評判が良く、自分でも気に入っている作品です。
ストーリーの概略を記載しますと・・・
「いつも失敗ばかりの卒業3年目の冴えない内科医、尾形想太郎は発明家の父親からウルトラアイを譲り受ける。このメガネをかけると彼は1時間だけ万能のスーパードクター『万太郎』に変身できるのだ。想太郎は万太郎に変身して次々と患者を救っていく。しかし想太郎がひそかに想いを寄せる同期の美人女医「綾乃」はいつしか万太郎に心を奪われ・・・」
と言う感じで、コメディタッチにストーリーが進んでいきます。
全7話構成で1話に1回ずつ万太郎の変身シーンがあり、連続ドラマ化されてもいいような(?)構成となっています。
医療現場をできるだけ正確に描写するように心がけたので、やや専門的で読みにくい部分もありますが、わかりにくいところは飛ばして読んでいただいても結構楽しめますので気楽に読んでください。
スーパーDr.うるとら万太郎 第1話 万太郎登場だぜ!
*最悪の症例検討会(医局カンファレンス)*
「そんなわけでこの患者さんの診断は・・・まだ、よくわかりません・・・」
尾形想太郎は自分の受け持ち患者の症例発表を小声で締めくくった。
「よくわからない?君はこの患者さんが入院してから1週間、何を調べていたんだね?今の症例発表では一般採血とレントゲン、心電図などを提示しただけでほとんど何も進んでいないじゃないか?」
司会役の真田医局長が大声で想太郎をにらんだ。
「はあ・・・」
想太郎は下を向いて小声で返事をした。
「はあ、じゃないよ君!週に一回のこのカンファレンスには院長の桐島先生をはじめとして当院の内科の先生方が忙しい時間をさいて出席しているんだ。君ももう研修医じゃないんだからもう少し真剣に取り組んでもらわないとな!」
真田医局長は神経質そうに黒ぶちのメガネを触りながらちょっと困った顔をしている桐島院長の顔をチラッと見た。そして想太郎の顔をじっと見つめてまくし立てた。
「まったく、これじゃあ患者さんを任せられないじゃないか」
「はあ・・・すみません・・・」
―俺の名前は尾形想太郎(おがたそうたろう)。今年27歳になる卒業3年目の冴えない内科医だ。小さい頃からあまり要領がいいほうではないが、それでも公立の進学校を中くらいの成績で卒業し、医学部への入学も何とか現役で切り抜け、進級や医師国家試験も何とか一回でパスしてきた。もちろん成績は下のほうだったが・・・
―卒業してからは研修医としてこの病院に勤務して、真田医局長を始め先輩方に叱咤激励されながら(はるかに叱咤が多かったが・・・)何とか研修医を終えて、この4月から一人前の内科医として仕事をするようになった。さすがに3年目にもなれば点滴や注射や簡単な検査などはどうにかそれなりにこなせるようになったが、この医局カンファレンスの症例発表だけはいまだに苦手だ―
「結局この患者さんの病態に関しては多分膠原病(こうげんびょう)だろうということしかわかっていないということかね?」
真田医局長が薄くなった頭を光らせながら、あきらめたように聞き返した。
「はい・・・おおかた・・・そうだろうと・・・思います。」
そう言った瞬間、想太郎ははっとわれに返った。
―しまった!また・・・言ってしまった・・・―
まわりは一瞬静まり返り、その直後、真田医局長が顔に嘲笑を浮かべながら声を上げた。
「ほらほら、それがいかんのだよ。おおかたそうだろう?我々医者は科学者だよ。その科学者がそんないい加減な返事をしてはいかんだろう?いくら君の名前が『おおかたそうたろう』君でもな」
まわりからクスクスという笑い声が聞こえる中、想太郎は蚊の泣くような声で答えた。
「はあ・・・すみません・・・」
―いつもこうだ。俺がこの口癖を口にするとあいつは決まって同じ事を言いやがる。よほどこのくだらないジョークが気に入っているようだ。そんなに俺の名前がおかしいのか?―
そんなことを考えながら想太郎はノートパソコンが置いてあるプレゼンテーションデスクから自分の席にすごすごと戻った。
「まあ、これじゃあディスカッションのしようがないな。こんなことで先生方の貴重な時間を無駄にするわけにもいかない。尾形君は来週までにもう少し検査を進めておきなさい。桐島先生、次に進めてよろしいでしょうか?」
真田医局長はあきれたような声でちょっと申し訳なさそうに院長の顔をうかがった。桐島院長は何も言わず腕を組んだまま無言でうなずいた。
「じゃあ次は・・・綾小路(あやのこうじ)先生。よろしくお願いします。」
真田医局長が指名した。
「はい」
綾小路綾乃は机の上に準備した資料をさっと手に取るとさっそうとプレゼンテーションデスクへ向い椅子に座るとマウスを手にとった。
「症例は78歳の女性です。主訴(しゅそ)は全身倦怠感(けんたいかん)および食欲不振です。既往歴(きおうれき)として60歳のときに胆石症で開腹胆嚢摘出術(かいふくたんのうてきしゅつじゅつ)を受けておられます」
綾小路綾乃はその透き通った声と流暢(りゅうちょう)な言葉で症例提示を進めていった。尾形想太郎はまだ先ほどの失敗から立ち直れずぼんやりとスクリーンに映し出された綾乃の症例提示を眺めていた。
―綾小路綾乃・・・このいかにもいい家のお嬢様らしい名前の女は俺の大学時代からの同級生だ。身長164cm、体重48Kg、サイズは上から86,58,88cm(多分・・・)、美しいストレートの黒髪をきれいにアップスタイルにまとめ、ちょっと大きめの黒のバレッタでとめている。シンプルなナイロールのメガネの奥からは、きりっとした美しい瞳がのぞき、鼻筋はまっすぐに通っている。
―薄く口紅を塗った上品な口元にきりりとひきしまった眉。多分きちんと化粧して着飾ったらそこらへんの女優も顔負けだろう。ピアノの腕はプロ級で、茶道や華道のたしなみもあるらしい。学生時代は女子テニス部のキャプテンとして活躍し、全国の医学部の大会でもいつもベスト4に入っていた。
―父親は何とかコンツェルンという企業の会長で世界中をかけまわっており、母親の実家は華道の家元で、まさに正真正銘のお嬢様だ。性格はどうかというと確かに気が強くプライドは高いが決していやみな女ではなく、患者にもやさしい言葉で接して診療にはいつも一生懸命だ。
―こんな俺ともお互い「想太郎」「綾乃」と呼び捨てにして普通に友人として付き合ってもらっている。まあ、だからといって俺の綾乃に対する気持ちなんてあいつにわかるわけがないし、もしそれを知ってもこんな俺とじゃ到底つりあわないことは俺も充分認識しているから何も言わないがな・・・
―まあ俺は身長は170cmだから綾乃より少しは高いんだけど、二人で町を歩いたりしようものなら誰が見たって美女と野獣・・・いや、お嬢様と召使いって感じかな・・・。あいつは学生時代にはでれっとした二枚目のテニス部の先輩と付き合っていた時期もあったけど、すぐに別れちゃったよな―
そんなことを考えながら想太郎はぼんやりとスクリーンを見つめていた。
「以上のことから悪性腫瘍は否定的です。考えられる診断は夫の死去により発症したうつ病。鑑別しておかなくてはならないものとして、甲状腺機能低下症および強皮症(きょうひしょう)をはじめとした膠原病があります。現在その鑑別診断目的にホルモン検査および自己抗体検査をオーダー中です。以上です」
綾小路綾乃は症例提示が終わるや否や、マウスからさっと手を離して真田医局長のほうへ向き直った。
「なるほど。御主人の死をきっかけとして急激に症状が進行したわけだな。確かに悪性腫瘍を否定する検査も一通り施行されている。鑑別診断も完璧だ。よく1週間でこんなとらえどころのない患者の診断をつけられたもんだ。この症例に関しては別の意味でディスカッションは不要じゃないかな?綾小路先生はつい最近まで研修医だったとは思えないな」
真田医局長は感嘆の声で綾乃を絶賛した。綾乃は当然という顔でそれでもちょっとはにかみながら医局長に向って軽く会釈した。
「まあ・・・今でも研修医みたいな奴もいるがな・・・」
真田はちらっと想太郎を見ながらつぶやいた。想太郎はじっと下を向いたまま黙っていた。
―あーあ・・・またかよ。綾乃とくらべられたら誰だって見劣りするに決まってるじゃないか。まあ、確かに俺は他人よりちょっと要領が悪いけどな・・・―
綾乃はそんな想太郎を気の毒そうにチラッと横目で見ながらプレゼンテーションデスクを離れて自分の席に戻った。
「さあ次は最後の症例だな。症例提示は諸星(もろぼし)先生」
真田医局長が指名した。
「はい!」
想太郎の隣に座っていた諸星渡(もろぼしわたる)が目の前の資料をがさがさと手にとってプレゼンテーションデスクに向った。
―諸星渡。この男も俺の同級生だ。身長185cm、体重90Kg。柔道部で鍛えたがっしりした体は、ぱっと見は威圧的だが人のいい優しい男だ。まあ、もともとが体育会系の性格で成績もさほどよくはなかったが、根がまじめでやりかけた仕事は最後までやり通す。どちらかというと俺と同じで要領が悪く不器用だが、俺と違うのはこの最後までやり通すっていう精神力だろう。
―俺ともなんとなく馬が合い、学生時代からの親友だ(と少なくとも俺は思っている)。実家は小さな内科の医院をやっていて将来はそのあとを継ぐつもりらしい―
「症例は・・・えっと・・・・」
諸星渡は一生懸命マウスを操作しているがなかなか自分のファイルが見つからないようだ。
―がんばれ、諸星―
想太郎は祈るような気持ちで親友を見つめていた。
「あ・・・これです。これこれ。失礼しました」
諸星渡はほっとしてマウスをクリックし、症例提示を始めた。
「症例は65歳男性です。主訴は腹痛。既往歴として10歳のときに虫垂炎、22歳で肺炎、32歳のとき交通事故で右下腿(かたい)骨折、40歳で細菌性胃腸炎・・・それから・・・」
手元の資料を見ながら話し続ける諸星をさえぎるように真田医局長が口を挟んだ。
「おいおい。諸星先生。ここは内科のカンファレンスなんだから、病気に関係のない既往歴を全部述べる必要はないだろう?もっと要点を絞って提示してくれないか?」
「はい!すみません。えっと・・・大事なものは・・・これです。60歳のときに早期胃癌で胃の亜全摘術(あぜんてきじゅつ)を受けています」
諸星渡が手元の資料をがさがさとつかみながら大きな声で答えた。
「そうそう。それは大事なことだな」
真田医局長が満足げにつぶやいた。
「患者さんは先月の下旬に右の季肋部痛(きろくぶつう:肋骨の下の痛み)を自覚し、近医(きんい:近くの医院)を受診され・・・」
諸星渡は大きな声で症例提示を続けていった。想太郎はボーっとしながらスクリーンを眺めていた。チラッと左に目をやるとひとつ向こうの席では綾小路綾乃が真剣なまなざしでスクリーンを見つめ、なにやら細かくメモを取っている。
―あー・・・えらいよな・・・綾乃は・・・他人の症例にもあんなに一生懸命になって・・・だめなんだよな、俺は・・・集中力がないっていうか、体力がないっていうか、調べ物をしていても長く続かないんだよ。患者さんを診(み)る事は結構好きで話していると楽しいんだけどな・・・でも・・・こんな俺ってやっぱり医者に向いてないのかもしれないな―
「えーっと・・・それで診断は、総胆管結石症です。鑑別診断として総胆管癌(そうたんかんがん)と膵頭部癌(すいとうぶがん)の除外が必要だと思います」そうこうしているうちに諸星の症例提示が終わったようだ。
「うん。ちょっと回りくどいところもあるがよく患者を診ているじゃないか。だいたい合格点だな。どうだ、先生方。何かこの症例に関して御意見は?」
真田医局長が質問を促すと先輩の医師が次々と手を上げて意見を交わしはじめた。諸星渡は時々頭をかきながら、つまずきながらも先輩医師からの質問に一生懸命に答えていた。
―あーえらいよな。諸星も・・・しどろもどろでも一応答えになっているじゃないか。こんなことまで調べているのか。それに比べたら俺は・・・やっぱり医者には向いてないのかもな・・・―
想太郎は広い症例検討室に自分だけがひとりぽつんと座っているような気がしていた。
*親友ってものは*
「元気出しなさいよ!想太郎」
病棟のナースセンターの片隅で、落ち込んだ想太郎の肩を綾乃がぽんとたたいた。
「そうだぜ、想太郎。真田先生はいつだってあんな調子じゃないか。少しくらいいやみ言われたって気にすることなんかないさ」
今度は諸星が明るい調子で慰めてくれる。
―こんな俺でも励ましてくれるのか?友達っていうのはありがたいもんだよな―
「ありがとう。でもいいんだ。今日の症例提示は自分ながらまずかったって思ってるんだ。来週はもう少し頑張るよ」
―親友二人に励まされたとあっては俺も元気を出さないわけにはいかないぜ。特に綾乃がこんなに親身になって励ましてくれるんだからな・・・。悪いが諸星、お前はまあ、おまけってとこだな―
「でもな・・・おまえの『おおかたそうだろう』って口癖はもうやめたほうがいいな」
諸星がポソリとつぶやいた。
「そうよね。あれはやっぱりまずいかも・・・」
綾乃も諸星に同意した。
―そんなことは俺だってわかってるさ。あの真田医局長のくだらないジョークを一番聞きたくないのは他ならぬこの俺なんだ。でも口癖っていうのはそんなに簡単に治らないんだよ。
―そもそも俺が『おおかたそうだろう』を使い始めたのは他ならぬ綾乃のせいなんだぜ。綾乃はもう覚えちゃいないだろうが、俺達の学生時代に俺がちょっと冗談で『おおかたそうだろう』って言ったらえらく綾乃に受けたじゃないか。それから俺は『おおかたそうだろう』を連発するようになったんだよ―
「まあ・・・俺もそう思うよ。でも名前が悪いんだよな・・・尾形想太郎なんて・・・ちょっと親を恨むよ。どうしてもっと考えてつけてくれなかったのかってな」
「なに言ってるのよ想太郎。そんなこと言ったら私だって悲惨なものよ。『綾小路綾乃』なんて親がなに考えてるのかわからないわよ。なんでも外人さんにもわかりやすいようにつけたそうだけど、私こそもうちょっと考えてつけてほしかったわ」
―そう言われればそうだな。苗字にも名前にも『あやの』があるなんで普通じゃないよ―
「俺だってそうだぜ。まるで漫画の主人公だよ。まあ俺は別に親をうらんじゃいないけどな」
―確かにな・・・諸星渡?お前の親はきっとアニメなんて見ないんだろうな―
「わかったよ。これからは『おおかたそうだろう』は使わないように気をつけるよ。それにしても・・・俺はやっぱり医者には向いてないのかもしれないな」
想太郎は小さな声でつぶやいた。
「またー?あなたこの前、『医者は俺の天職だ』って言ってたじゃないの?」
綾乃があきれ顔で言った。
―ああ・・・そうだ・・・そんなこと言ったっけな・・・・あの時は・・・喘息(ぜんそく)の患者さんがなかなかよくならなくって、夜中からずっと朝までつきっきりだったっけ。ステロイドやらボスミンやら色々使って、外が明るくなってからあのばあちゃんやっと楽になって『先生。ありがとう』って言われたときは本当にうれしかったよな・・・―
「ああ・・・そんなこと言ったかな?」
「そうだよ。想太郎!今日の症例提示がうまくいかなかったのだってこの1週間お前があのばあちゃんにかかりっきりだったからだろう?真田先生だってそんなことわかってるはずなのにちょっとひどいよな」
―さすが俺の親友だ。俺のことを一番わかってるのは諸星渡、お前だよ。さっきの言葉は取り消し!お前は『おまけ』じゃなくって俺にとって大切な人間だよ。でも綾乃が7割でお前は3割な―
「想太郎。私はこう思うのよ。医者にとってもちろん知識や技術は大切だけど、それよりも大切なのは患者さんを思う心よ。患者さんを何とか治してあげたいっていう気持ちを持っていることが一番大事なことだと思うのよ」
―「患者を思う心」・・・いいこと言うじゃないか。さすが綾乃だ。俺が惚れた女だけのことはあるよ。女優なみの容姿に音楽やスポーツの才能、それにこのハートはどうだ?これ以上の女が他にいるものか(ちょっと気が強いけど・・・)。もっとも・・・俺とは全然つりあわないけどな―
「あなたも私もそして渡ちゃんもみんなその気持ちは持っていると思うのよ。それだけで医者としてやっていく資格は充分だと思うわ」
―『渡ちゃん』か・・・なんとなく気になるんだよな・・・その呼び方。俺を『想太郎』って呼んでくれるのはうれしいんだけど、諸星を『渡ちゃん』っていうのはちょっとなれなれしすぎないか?もっともあいつも綾乃からそう呼ばれるのがまんざらではないって感じだけどな・・・ひょっとして諸星も綾乃のことを・・・?だめだよ、諸星。お前だって綾乃とはつりあわないよ
想太郎はそんなことを考えながら綾乃に聞いた。
「そんなもんか?・・・でも・・・綾乃はなんだって医者になんかなったんだ?俺はテレビや映画で見ていてかっこいいからなんとなく決めちまったし、諸星は家を継ぐために医者になることが決まっていたようなもんだけど、綾乃の家は金持ちなんだから別に苦労して医者になんかならなくったって家でのんびりしていればいいじゃないか?そのうち誰かいい人にみそめられて優雅に暮らせるんじゃないか」
それを聞いた綾乃はちょっとぶっきらぼうに答えた。
「私は医者になりたかったからなっただけよ。それに財産とか家柄なんて全部誰かから貰ったものでしょ?そんなものじゃ幸せにはなれないわ。私は自分の力で幸せになりたいの。自分が努力して患者さんを治すことができて初めて『あー、よかったな。がんばったな』っていう充実感を味わうことができるでしょ?幸せは他人(ひと)から与えられるものじゃなくって自分の力でつかむものよ」
―あーえらいよ、綾乃。君は偉い!財産に家柄にたぐいまれな容姿、これだけのものを持っていてまだ努力しないといけないのか?俺が綾乃の立場だったら何にもしないで遊んで暮らすけどな・・・でも俺のあの親父じゃあな・・・くだらない発明ばかりして毎日何してるんだか・・・―
「まあ今日はもう遅いからさっさと仕事を片つけて引き上げようぜ」
諸星が目の前のカルテをしまいながら言った。
「ああ・・・そうだな」
想太郎もうなずいて書きかけのカルテに今日の検査所見をさっと記載してかたつけた。
第1話(2/5) に続く
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